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第12話 仮面の下の契約書④

Penulis: 花柳響
last update Tanggal publikasi: 2026-06-18 18:35:08
「そのつもりで渡しています」

「読みます。必要なら、外部の人にも見せます」

「そうしてください」

 窓の外で、庭木の影が揺れた。

 相良さんが書類を透明なファイルに入れる。

「お部屋へご案内いたします。お食事は軽いものをお持ちします」

「水だけで」

 反射的に言うと、律が眉を動かした。

「食べられないなら無理はさせません。少しだけ置いておきます」

 相良さんが、廊下の端で控えていた使用人へ目配せした。ほどなく運ばれてきた盆には、小さなスープカップと、薄く切ったパンが一枚だけ載っている。量は、夕食というより試食に近かった。

 匙は手の届く位置に置かれた。

 強く勧められない方が、かえって断りにくい。

 部屋の前で、相良さんが鍵を差し出した。

「内側から施錠できます。外から開ける場合は、緊急時を除き必ずお声がけいたします」

 鍵は小さかった。

 手のひらに乗せると、冷たい金属の重みがあった。

 内側から鍵をかけられる。

 それだけで、喉が熱くなった。

「ありがとうございます」

 今度は、かすかな声が出た。

 律は部屋の前で、こちらを見上げる。

「明
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